2024年の年末年始は、日本の祝日が絶妙に重なり、最大で9〜10連休を取ることが可能だという。それを活用して、20代の新婚カップルがロンドンにやって来た。ヨーロッパは初めてだと言う彼らの旅の目的地は、ロンドンとスペインのバルセロナ。そして、この旅行は新婚旅行だそうだ。
「いつ結婚したのですか?」と尋ねると、1年ほど前だと答えた。「結婚式は?」とさらに聞くと、「やっていないし、やる予定もない」と即答した。少し驚いている私に対して、彼らはさらにこう続けた。「バブルの頃の結婚式は豪華だったみたいですね」と。
結婚式の過去と現在
確かに、私が若かった頃の結婚式は一大イベントだった。100人、200人と招待客を迎え、披露宴では仲人が立ち、友人たちが出し物を披露する。お色直しが2回も3回もあり、大きなウェディングケーキが運ばれ、拍手喝采の中で新郎新婦がナイフを入れる――そんな光景が普通だった。しかし、それはもう過去の話らしい。
このカップルに聞いてみたところ、周りの友人たちも大がかりな結婚式を挙げる人は少ないという。中には会場を借りても飾り付けを自分たちで手作りする、簡素ながらも心のこもった結婚式を行う人もいるらしい。
費用の使い道
結婚式を挙げるとなると、予算を超えるのは当たり前だ。最初は200万円の予定だった費用が、気づけば300万円を超えることも珍しくない。あちらで数万円、こちらで数万円とオプションを加えていくうちに、いつの間にか予算は膨れ上がるものだ。
このカップルはその費用を新婚旅行に回すことに決めたらしい。そしてイギリスとスペインの旅を選んだ。その選択のおかげで、結婚という人生の節目に、また違った形での思い出を刻むことができている。
結婚式の意義とは
しかし、結婚式を挙げなかったカップルの離婚率が高いというデータもある。ちょっとした喧嘩の際、耐える力になるのは、結婚式での思い出や、多くの人たちが祝福してくれた記憶なのかもしれない。親戚や友人の顔を思い浮かべると、「簡単には壊せない」という気持ちが生まれるのだろう。
もちろん、盛大な結婚式を挙げる必要はないかもしれない。しかし、小さくてもいいから、結婚の区切りを象徴するセレモニーを持つことは、二人の関係を深め、持続させる糧となるだろう。
未来へのエール
今回のカップルがどういう道を歩むのかはわからない。しかし、彼らがロンドンとバルセロナで過ごした時間が、これからの人生における力強い基盤となることを願うばかりだ。幸せな結婚生活を築いてほしいと、心から思う。
文:はる『ロンドンでの失職、生き残りを綴ったブログ。小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。転身開始から767日目を迎えた。(リンク⇨766日目の記事)』
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