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イギリスに私立大学ってあるの?オックスフォード、ケンブリッジ大学の入試の方法とその他のイギリスの大学




私はいつも教育に興味を持ち続けてきた。それは純粋に学ぶことへの好奇心でもあり、社会がどのように知識を体系化し、人々に伝えているのかを知りたいという興味でもある。イギリスの大学教育について調べているうちに、私立大学という少し異質な存在が目に留まった。日本では私立大学といえば有名な大学が多く存在する。


イギリスの大学の大多数は公的資金によって支えられている。オックスフォードやケンブリッジのような伝統的で名高い大学も、分類上は公立大学に含まれる。しかし、私立大学はその中で少し異なる道を歩んでいる。


たとえば、バッキンガム大学(University of Buckingham)。この大学は「学生中心の教育」を掲げており、少人数制で個別指導に力を入れている。どこか親密で、温かみのある教育を目指しているように感じられる。

もうひとつ挙げるなら、リッチモンド・アメリカン・インターナショナル大学(Richmond, The American International University in London)だ。この大学はアメリカ式のリベラルアーツ教育を基盤にしており、イギリスの中でも少し異国情緒を感じさせる。両者とも、一般的なイギリスの大学とは異なる、独自の色を持っている。


私立大学の最大の特徴は、学費の高さだろう。公的資金に頼る公立大学と異なり、私立大学はほぼ自力で資金を賄っているため、学費が高くなるのは当然と言える。イギリスの学生にとって、学費は1年間で最大£9,250というのが一般的な基準だが、私立大学ではこれを大きく上回るケースが多い。


これは、留学生にも当てはまる。公立で年間£20,000〜£40,000という学費を課されることもあるが、私立ではさらに高くなる場合がある。こうした数字を見ると、私立大学の門を叩くには、確かな目的意識と資金的な準備が必要だと痛感する。


オックスフォード大学とケンブリッジ大学、いわゆる「オックスブリッジ」は、イギリスの大学教育における特別な存在だ。両大学は、公立大学に分類されるが、その運営スタイルは独自性に富んでいる。たとえば、カレッジ制という仕組みは、大学を一つの巨大な組織ではなく、複数の小さなコミュニティに分けることで、教育と生活の密接なつながりを生み出している。


また、両大学では独自の入試プロセスが実施される。特定の学部向けには、MAT(数学)、TSA(思考力)、LNAT(法学)といった試験が課され、面接では論理的思考や学問的な適性が厳しく評価される。これは、ただの知識量を問うものではなく、学生の思考の深さと独創性を掘り下げる試験だ。


一方、他の大学では、IBやAレベルの成績が選考基準の中心となる。

IBとAレベルの比較

項目

IBディプロマ

Aレベル

学習範囲

幅広い6科目+コア要素

深堀りする3〜4科目

評価方法

内部評価+試験(多様な形式)

主に試験中心

国際的認知度

非常に高い

主にイギリスで認知

大学進学への準備

総合的な能力の評価

専門分野の準備がしやすい


オックスブリッジでは、Aレベルで優秀な成績を達成することが条件とされる。また、Personal Statement(志望理由書)も重要な要素だ。このエッセイは、自分の学問的興味や将来の目標について述べるもので、いわば「自分という人物を売り込むためのラブレター」のようなものだ。


オックスブリッジ以外の大学では医学部や法学部など、一部の専門分野では追加試験が課されることもある。


イギリス国内の学生にとって、学費は政府が設定した上限の範囲内で抑えられているが、それでも高額だと感じる人も多い。幸い、学生ローンという仕組みが整備されており、学費を全額カバーすることができる。返済は卒業後、一定の収入(年収約£27,295以上)がある場合にのみ始まる。そして一定期間が過ぎると、未返済額は免除される。さらに、生活費を補助するためのローンも用意されている。実家から通う学生と一人暮らしの学生では、その額が異なるが、必要最低限の生活を支えるには十分な仕組みだ。よって貧しい家庭だから親の支払い能力がなく大学に行けないということは避けることができる。


イギリスの大学教育は、時代の変化に応じて進化し続けている。それは、公立大学、私立大学のどちらにも当てはまることだ。学費や入試のシステム、教育方針など、それぞれの大学が持つ特性を理解することで、学生たちは自分に合った選択をすることができるだろう。

教育というものは、その人の人生を大きく変える力を持っている。だからこそ、慎重に選ぶべきだし、同時に柔軟に楽しむべきでもある。人生は選択の連続だ。その一つひとつが、私たちをどこへ連れていくのかは、選んだあとでしか分からない。それでも、選ぶという行為には大きな価値があるのだと思う。


文:はる『ロンドンでの失職、生き残りを綴ったブログ。小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。転身開始から758日目を迎えた。(リンク⇨757日目の記事)』


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