
50肩との戦い、そして60肩への恐れ
50肩になったのは2023年2月のことだ。それから2年が過ぎた。
ストレッチもだいぶできるようになり、腕も上がるようになった。しかし、完全に回復したとは言い難い。無理に伸ばすと鋭い痛みが走る。まるで、身体の奥深くに埋め込まれた古い釘が、引き抜かれるのを拒むかのように。
最近、60肩に突入したXさんに話を聞いた。彼はすでに3年間、肩の痛みと付き合っているという。そして、50肩が終わったからといって安心できるわけではない。「また60肩が来る人もいるらしいよ」と、まるで次のステージが待ち構えているかのように言う。冗談ではない。
50肩を経験した身としては、これはもう「身体障害」と言ってもいいレベルだ。見た目には何の異常もないのに、実際には腕が思うように動かせない。空港のセキュリティチェックで「手を上げてください」と言われても、上がらない。説明しても怪訝そうな顔をされる。いっそのこと、50肩の人間には何か分かるように警報器でも装着できたらいいのに。
この痛みは、実際になった人でなければ理解できない。夜、ベッドに横になるだけで苦痛が走る。肩がマットレスに触れただけで、まるで焼きごてを押し付けられたような痛みを感じる。だから、仕方なく体を傾けた状態で眠る。しかし、そのまま動けない。ほんの少しでも姿勢を変えようものなら、再び痛みが襲ってくる。
もし60肩になれば、またこれを繰り返すことになるのか。そのことを考えると、正直、ゾッとする。
だからこそ、ストレッチと運動を続けるしかない。少しでも可動域を広げ、肩の自由を取り戻すために。
50肩との戦いは、まだ続く。
文:はる『ロンドンでの失職、生き残りを綴ったブログ。小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。転身開始から844日目を迎えた。(リンク⇨843日目の記事)』
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