来年の9月、中学校に入学する子供たちの親は、すでに心の中でそわそわとした準備を始めている。イギリスでは、9月以降に12歳になる年に中学校へ進学することが決まっている。その前に、約11ヶ月前の10月末までに、希望する中学校を自治体に提出しなければならないのだ。
選択肢は、複雑で多様だ。地元の公立中学校に通わせるのか、それとも中学受験を経て、公立の進学校へ進むのか。あるいは、私立の学校に入学させるために授業料を払う選択肢もある。さらには、公立ではあるが、芸術など特化したカリキュラムを提供している特別な学校に挑戦することもできる。その場合、地元の枠を超えて、オーディションのような試験を受け、入学の権利を得なければならない。
公立の学校の場合、まず優先されるのは、学校に近い生徒や、すでに兄弟がその学校に通っている家庭の子供たちだ。そして親たちは、第6希望までをリストにして、自治体に提出しなければならない。しかし、その前に重要なのは、中学受験を受けた生徒たちの結果が出る10月中旬。4つも5つも試験を受ける生徒もいる。その結果が一気に押し寄せ、家族全員が緊張の渦に巻き込まれる。
時間はあまりない。結果が発表されてから、わずか10日ほどで、希望する学校のリストを順位付けして提出しなければならない。その判断は容易ではない。たとえば、ある進学校が去年は100点から80点の生徒を受け入れたとしても、補欠合格で78点の生徒が入れた例もある。もし自分の子供が79点だったらどうするか。第一希望にすべきか、それともリスクを取らずに安全な学校を選ぶべきか。
そのため、第一希望の選択が難しい。もし、強く希望している学校をリストの上に置いたとしても、点数が微妙であれば、第2、第3希望の学校が埋まってしまうかもしれない。つまり、安全策を取るか、挑戦するか。この選択に、親たちは頭を悩ませることになる。
今まさに、その決断の時期だ。親たちは子供の未来のために、最善の選択をしなければならない。しかし、それと同時に、将来を左右するような選択を迫られるプレッシャーが彼らを支配している。進路が決まるのは、5ヶ月後の3月。その日まで、彼らの緊張は続くことだろう。
文:はる『ロンドンでの失職、生き残りを綴ったブログ。小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。転身開始から692日目を迎えた。(リンク⇨691日目の記事)』
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