子供たちは成長するにつれて、自分の欲しいものややりたいことをはっきりと自覚し始める。特にクリスマスとなると、その傾向が顕著だ。幼い頃は純粋に「何が来るのだろう」とワクワクしていた彼らも、10代になると現実的になり、プレゼントへの期待値がますます明確になる。
わが家では、サンタクロースが子供たちのプレゼントを届けてくれることになっている。そのため、毎年10月頃になると、子供たちは念入りにプレゼントのリストを作成し始める。リストには欲しいものがぎっしりと並び、それが全部届くことを願っているようだ。今年あたりから少し控えめになったとはいえ、それでも彼らが欲しがるのはスマートウォッチやノイズキャンセリングヘッドフォンといった高価なガジェットだ。
もちろん、サンタには限度というものがある。高価なプレゼントをすべて用意するわけにはいかない。だから、リストにあるものを可能な範囲で揃えつつ、少しサプライズ的な要素も加える。何か小さな驚きを添えることで、彼らの笑顔が引き出せるかもしれないと期待している。
喜びのリアクション
しかし、10代の子供たちは、幼い頃のようにはいかない。かつてはカラフルな絵が描かれた大きな箱を開けるだけで満面の笑みを浮かべ、その日はずっと楽しそうにしていたものだ。でも、今は違う。リアクションは慎重で、時には冷めた印象すら与える。
今年も例外ではなかった。プレゼントリストにあったものはなんとか気に入ってもらえたようだったが、それを補う形で用意したサプライズのプレゼントについては、どうやら心に響かなかったらしい。
夜になると、通常はプレゼントを抱えてベッドに向かう子供が、今年はリビングルームにそれを置いたまま部屋に戻っていった。その光景を目にしたとき、私の中で小さな敗北感が広がった。
サンタの挑戦
来年の課題は明白だ。リストに忠実であるだけではなく、もう少し彼らの心を読まなければならない。サプライズの要素をどう工夫するか、それが鍵になるだろう。
クリスマスは、子供たちにとって一年の締めくくりの特別なイベントだ。そして、それを作り上げる大人たちにとっては、彼らの喜びを目にするための努力と挑戦の場でもある。
来年もサンタは試行錯誤を続けるだろう。そして、再びクリスマスの朝に、プレゼントを前に笑顔を浮かべる子供たちを見るために、ささやかな工夫と創造を凝らしていくに違いない。
文:はる『ロンドンでの失職、生き残りを綴ったブログ。小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。転身開始から763日目を迎えた。(リンク⇨762日目の記事)』
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