先日、ポーランドに訪れた時に聞いた話である。
ポーランド人の共通の話題といえば、政治、健康、サッカー、そしてたまに教会の話。これが話せればポーランド人との会話は絶えない。
しかし、それらばかり話していては流石に飽きるのではないかと疑問に思っていた。
そして今回ポーランドに来て、何人かの人の家に訪れてみると、意外と面白い趣味を持っていることに気づいた。
まず初めに訪れた男性の家ではレコード集め。
リビングルームにある棚にはぎっしり詰まったレコードの数。彼は旅をよくする人で、出先でレコード屋があると2、3枚買っては持って帰ってくるそうだ。それが度を越したのか、前回、ギリシャへ行った時は安く仕入れられたらしく、20kg相当のレコードの数を購入した。
週末には誕生日に奥様から買ってもらったデンオンのレコードプレーヤーで、朝方2時まで音楽を聴きながら、美味しいウィスキーを飲みながら夫婦で深く語るそうだ。
次に訪れたのは魚釣りの好きな男性。
早速、一緒に釣りに行くかと誘われて車で出かけた先は釣り堀。そこには野球場ぐらいの釣り堀がありそこで3時間座って釣りをした。魚が餌をくわえて糸を引っ張ると反応するアラーム機能をセットして、そのアラームが鳴るのを待ち続けた。結果は大きな鯉とホシザメのようなやつを釣った。持ち帰りは禁止なので釣ったらすぐに逃した。
何匹魚が釣れたのではなく、静かに流れていく時間に寄り添いながら、釣り竿を眺め、日頃の世界から離脱する瞬間を楽しんでいるかのようだった。
そして、きのこ狩りに森へと消えていく人たち。
ポーランドではキノコ狩りは人気のエンターテイメント。夏から秋にかけての時期に、にわか雨などが降ると、いつ頃キノコが生え出すかの話題だ。雨が降ってだいたい1週間後ぐらいを目安にきのこ狩りの日を決める。その日は籠とナイフを持って2−3時間森の中を歩く。人それぞれ自分のターゲットとなる場所を把握していてそこを目指す。人気のある場所には取り合いで早い時間に出かける人がいる。隣の家が朝7時に出かけるなら、うちは6時。その隣は、じゃあうちは朝5時だ!と争奪戦となる。
とってきたキノコは刻んで調理乾燥機でパリパリにして長期保存したり、そのままスープに入れて美味しくいただく。
毒キノコとの見分けはかなりの経験済みの人でないとできないが、明らかに安全で大丈夫というのを2、3個覚えてそのキノコを探せば全く問題なしである。
私はポーランドで一人でキノコ狩りに行って道に迷って5時間彷徨った時があったが、昼間だったので無事帰還できた。途中、片言のポーランド語で出会ったポーランド人に方向を確認したりしてとても冒険的だったが、帰ってきた後のキノコは美味しかった。
社会主義国家が終了してから30年が経ち、EUに加盟してから20年近くが経つポーランドでの生活は豊かになってきている。そのほかにも巨大犬を飼い続けるカップルや、旅行好きでエジプトやアフリカの内陸に行く女性など、趣味は多様だ。
〜はる〜
(終)
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