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残業代は10分おきに出ますか? イギリスに残業の概念はない



小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。無職生活654日目を迎えた。(リンク⇨653日目の記事)


ロンドンでサラリーマンとして働いた20年間、私には「残業」という言葉がほとんど存在しなかった。毎日17時になると、オフィスの中は一斉に動き始め、誰もが家路を急ぐ。その光景は、まるで整然とした儀式のようだった。特に金曜日の午後は、仕事をしている人がほとんどいない。15時を過ぎれば、オフィス内は静かにネットショッピングを楽しむ者たちで満たされ、16時30分になると、皆が時計をじっと見つめ、17時のチャイムと同時にオフィスを出ることだけを考えていた。


「残業代」というものが存在する会社がイギリスにあるのだろうかと疑問に思う。決められた時間だけ働いて、それで終了しない場合は、シンプルに翌日に持ち越す。時間の切り売りをするような働き方ではなく、仕事と生活のバランスが明確に区切られているのだ。


日本ではどうだろうか。最近では、面接に来る若者たちが経営者に「残業代は10分おきに支払われますか?」と尋ねることがあるそうだ。経営者たちは驚きを隠せないが、実際に公務員として働く友人に話を聞いてみると、15分おきに残業代が支払われているという。つまり、10分おきという質問は、決して無理のない話なのだ。


イギリスでは、余った有給休暇を会社に売り、その対価を年金などに回すことができる。また、有給休暇が足りない場合は、お金を払って追加の休暇を購入することも可能だ。2週間の休暇は当たり前で、その前後に数日を足して、合計3週間近く休む人も珍しくない。


一方、日本から来たサラリーマンたちに話を聞いてみると、1週間の休みを取るのがやっとだという。しかし、日本には「国民の休日」という制度があり、3泊4日などの短い休みを年に何度も取ることができるという。彼らにとっては、それが息抜きの方法なのだろう。


イギリスでは、残業の概念がほとんどなく、休みは売ったり買ったりするもの。好きな時に好きなだけ休むことができるからこそ、それは「休暇」と呼ばれるのだ。


アメリカの某有名なIT企業では、有給休暇の日数を無制限にし、自由に休んで良いというルールを導入したそうだ。これは、社員たちがあまりにも休みを取らず、疲弊してしまうことが背景にあるらしい。実際、その制度を利用して4週間もの長期休暇を取った友人もいる。


日本も有給休暇の日数を決めるのではなく、もっと自由に休めるようにすれば良いのではないだろうか。どうせ全てを使い切る人は少ないだろうし、それでも多くの人が有給を使わないのかもしれないが……。



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