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新たな始まりと終わり

Writer: haruukjpharuukjp


何年イギリスに住んでいようと、4月が訪れるたびに、日本の新年度の始まりを思い出す。桜の花びらが舞い、新しい制服に袖を通す子供たちの姿が目に浮かぶ。そういう季節の感覚というのは、たとえ遠く離れた場所にいたとしても、身体のどこかに染みついていて、ふとした瞬間に顔を出すものだ。

この「新しい始まり」の感覚は、私の気持ちをどこか高揚させる。何かを始めるのにちょうどいいタイミングだ、と心の奥で小さな声が囁く。新しい挑戦、新しい目標、新しい未来。そんなことを思いながら、4月の空を見上げる。

しかし、今日はそんな希望に満ちた4月にしては、最悪な1日だった。

長らく契約していたクライアントから、契約終了の通知が届いたのだ。

私はフリーランスとして働いている。彼らは、私にとって頼りにしていたクライアントのひとつだった。だからこそ、この突然の契約解除は、かなり堪えた。まるで、信号待ちをしていたら、突然強い風に吹かれて傘をひっくり返されたような気分だ。

4月からの収入は大幅に減ることになる。また一からやり直しだ。新しいクライアントを探さなくてはならない。

考えてみれば、私はこのクライアントに頼りすぎていたのかもしれない。どこかで「この関係は続くだろう」と油断していたのかもしれない。そういう意味では、バックアップの準備が足りなかったのだろう。

フリーランスになってから、私は多くのことを学んだ。今回契約が終了するクライアントからも、たくさんのことを教わった。そして、ここで立ち止まっているわけにはいかない。

これは試練かもしれないが、逆に考えれば、これは新たな成長のチャンスでもある。4月というのは、何かを失うこともあるけれど、何かを始めることができる時期でもある。

きっと、こういう時こそ踏ん張るしかないのだろう。私は紅茶を一口飲み、深く息を吸い込んだ。春の空気はまだ冷たく、けれどその奥には、確かに新しい何かが芽吹いている気がした。



:はる『ロンドンでの失職、生き残りを綴ったブログ。小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。転身開始から852日目を迎えた。(リンク⇨851日目の記事)』


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