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10年の介護を経験 そして. . . 新しい旅の始まり



本場のベートーヴェンの第九を大晦日に聴きたい――その夢を胸に、Xさんはオーストリアのウィーンまでやってきた。そして、その足で、2025年の初日にはロンドンへとたどり着いた。夢を叶えるための旅は、これまでの人生を振り返り、未来を見つめる時間にもなった。

ロンドンはXさんにとって特別な場所だ。以前住んだこともあり、ウィーンからの帰路にその地を訪れない理由などなかった。

ロンドンと日本、似ているようで異なる場所

イギリスは日本人にとってどこか馴染み深い国だ。王室があり、島国であり、左側通行と右ハンドルといった共通点がある。その一方で、アフタヌーンティーやハリーポッターなど、イギリスならではの文化が日本では幅広く受け入れられ、観光目的で訪れる人々の数も多い。

Xさんもまたイギリスが大好きだという。そして何より、新しい年をロンドンで迎えられることに大きな喜びを感じていた。

10年という時間、そして解放の旅

しかし、この旅にはもうひとつ特別な意味がある。Xさんは2年前まで、家族の介護のために長期間家を離れることができなかった。10年という月日は、Xさんの時間を確実に縛っていた。海外旅行に出ることがあっても、せいぜい2泊3日が限界だったという。

その介護生活が終わったのは昨年のことだった。それからは年末年始をゆっくりと海外で過ごすという新しいライフスタイルを楽しむようになった。一人で旅をするという自由、そしてその自由の中で訪れる喜びを、Xさんは噛み締めている。

ロンドン郊外の静かなひととき

今回のイギリス滞在中、Xさんはロンドンだけでなく郊外の田園地帯を訪れた。昼食には、歴史あるマナーハウスで紅茶と食事を楽しんだという。その静かな時間と美しい田園風景に、Xさんは深い感動を覚えた。「ロンドンの近郊に、こんなにも素晴らしい場所があるとは知らなかった」と彼は語る。

そして、ここにまた戻ってきたいと思ったという。

新たな旅への期待

10年の介護生活を経て、Xさんは今、自由な旅を楽しんでいる。それは人生の新たな章の幕開けだと言えるだろう。まだ見ぬ景色、まだ触れたことのない文化、まだ出会ったことのない人々――それらが、これからXさんを待っている。

人生の旅路は長く、そして多様だ。その道筋をどう歩むかは、自分自身の選択にかかっている。そしてその選択の中に、Xさんのような新しい自由と喜びがあることを願いたい。


文:はる『ロンドンでの失職、生き残りを綴ったブログ。小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。転身開始から772日目を迎えた。(リンク⇨771日目の記事)』


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