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イギリスにあるシャガールの教会



小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。無職生活623日目を迎えた。(リンク⇨622日目の記事)


今回は、イギリスのケント州にある特別な場所についてご紹介したいと思います。それは、素晴らしいステンドグラスで知られる「シャガールの教会」、正式にはTudeley(タッドリー)にある「オール・セインツ教会」です。アートと歴史が交差するこの教会は、訪れる価値があるスポットですので、ぜひチェックしてください!


この教会が特別なのは、すべてのステンドグラスがあの有名な画家、マルク・シャガールによってデザインされているからです。でも、なぜイギリスの小さな村にシャガールの作品があるのか、不思議に思う方もいるでしょう。それは、悲しいけれど心温まる物語から始まりました。


1963年、地元のサー・ヘンリー・ダンデラスとレディ・ダンデラス夫妻は、愛する一人娘のサラを交通事故で失いました。サラは美術を愛し、特にシャガールの作品に強く惹かれていました。彼女を記念して、夫妻はシャガールに教会の窓をデザインしてもらうことを依頼しました。


シャガールはこの依頼を引き受け、一枚の窓をデザインしましたが、その美しさと教会の雰囲気に感動し、教会全体の窓を手掛けることを決意しました。こうして、オール・セインツ教会は世界で唯一、すべての窓をシャガールが手掛けた教会となりました。


教会を訪れると、目に飛び込んでくるのはシャガール独特の鮮やかな青や緑、そして詩的なデザインです。各窓には、サラへの愛と敬意、そして彼女が愛した自然と芸術が織り交ぜられています。特に、サラを象徴する青い色は、教会全体に静寂と安らぎをもたらしています。


実際に訪れてみて、シャガールの窓はただの芸術作品以上のものだと感じました。光が差し込むと、色とりどりのガラスがまるで生きているかのように教会内を彩り、幻想的な空間が広がります。どの窓にも異なる物語があり、一つひとつが深い意味を持っています。


ケントを訪れる機会があれば、ぜひこの教会に足を運んでみてください。シャガールの芸術を間近で体験できるだけでなく、サラの思いが込められたこの場所には、特別なエネルギーが流れています。


美術館とは異なる、静かな時間の中でアートを楽しむことができるこの教会は、私の旅の中でも特に心に残るスポットの一つです。


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