
10月のイギリスは、子供の中学受験を終えた親たちにとって、胸が締め付けられるような1ヶ月だ。グラマースクールという、公立の中高一貫校があり、そこに入学するためには県ごとの試験や独自の選抜を通らなければならない。子供たちは9月から10月にかけて、その試験を受け、結果を受け取る。
10月31日までに受験結果(点数のみ)を受け取り、点数のカットオフラインと呼ばれる最低ライン(まだ確定ではない)の点数をあくまで参考にして、最大6校まで志望校を申請できる。
第一志望はどの親にとっても大切だが、もちろん競争がある。成績上位者がその学校を志望すれば、枠はどんどん埋まっていく。入学者数が限られている以上、上位に入らなければ希望の学校に入れないが、運も絡んでくる。上位の子供たちが他の学校に進むことで、チャンスが巡ってくることもある。
その結果がわかるのは来年3月3日。それまでの数ヶ月間、子供たちはもちろん、親も緊張と不安に苛まれる。特に、ぎりぎりのラインで合格が見込まれる場合、その待ち時間はどれほど長く感じることだろう。
親として、どの学校に入るかが子供の人生を決定づけると感じるのは無理もない。しかし、冷静に考えれば、子供たちはどんな学校に入ったとしても、そこなりに人生を楽しむし、適応していくものだ。だからこそ、親が抱えるこの緊張感は、考え方次第では無駄なストレスなのかもしれない。なるようになる、と考えるしかないのだろう。
9歳や10歳の子供たちは、この1年間、塾に通い、遊ぶ時間を惜しんで一生懸命に勉強した。その努力こそが、子供にとって大きな達成感となり、今後の自信へとつながるはずだ。そして、中学校でも彼らはその自信を胸に、勉学に励んでいくに違いない。
今、私が娘に伝えたいのはただ一つ。「よく頑張ったね。おめでとう」と。
文:はる『ロンドンでの失職、生き残りを綴ったブログ。小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。転身開始から703日目を迎えた。(リンク⇨702日目の記事)』
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