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聖金曜日に参列したら . . .

Updated: Apr 8, 2023



アラフィフで小学生と中学生の子供を持つサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退社。その後の就職活動が難航中。無職生活148日目を迎えた。(リンク⇨147日目の記事


本日はキリスト復活祭の前の聖金曜日。晴天、気温13度。


朝10時に地元の教会へ向かい、教会内に集まったあと神父の指示で全員が外に出た。


聖金曜日にはキリストが処刑され、磔刑(たっけい)にされたと言われている。キリストは逮捕され、裁判にかけられ、鞭打たれ、十字架を背負い、そして最後に処刑された場所であるゴルゴダの丘に登った。


私の地元の教会の建物の横には1ヘクタール(100メートルx100メートル)ほどの広さの墓場がある。そして、おそらく神父が事前に教会を訪れる子供たちに頼んでおいたであろう画用紙に絵の具で描かれた絵画が用意されていた。その絵の内容は、聖金曜日には何が起きたかを聞いた5場面を子供たちが再現していたのである。それらを5箇所に分けて、墓場の周りにある木に貼り付けてあった。


神父が150人ほどいた参列者たちを連れて、1箇所ずつ順番に絵の前に集合させ、その絵の意味を説明、聖金曜日に何が起きたかが書かれている一部を抜粋されたものを朗読した。その時、読みたい子供を探して、子供にそれを読ませた。


聖歌が必要な場面では、専属のピアニストを呼んでおり、電子ピアノを携帯させ、演奏を披露、それに合わせて参列者たちが合唱した。


神父が子供たちに呼びかけて、2メートルほどの木の十字架を3歳から10歳ぐらいまでの子供たちが4人ぐらいで力を合わせて、次の絵まで運ぶ。十字架を運ぶキリストの姿を再現するためだ。そしてその次の絵に行くときは、多くの子供たちが十字架を運ぶことを経験させるために別の子供たちを呼びかけて、その子供たちが木の十字架を運ぶ。


そして5枚の絵の説明が終わり、聖金曜日のストーリーを読み終えると、墓場の奥の方にあるテニスコート半分ぐらいの広場で最後の聖歌を歌い、子供たちは踊り、聖金曜日の再現が終了する。


その後、事前に教会内で渡された5センチ四方程度の大きさの紙に匿名で書いた懺悔を、子供たちが運んだ木の十字架に貼り付けて、それをその広場の真ん中に立てた。支えのための短い予備の木の柱を金槌で叩き、十字架が倒れないようにしっかりと地面に植え付けた。キリストが十字架に貼り付けられて立たされるかのように。


懺悔が書かれた紙が何枚も貼られている十字架に人々が集まってきてみんなどんな懺悔をしているのだろうとじっとみていた。


私もちょっと覗いてみると、ある子供が書いた懺悔が目に入った。


「お母さんの作るご飯を美味しく食べられずに吐き出してしまってごめんなさい」


と書いてあった。


うん、うん、そうだね。お母さんが一生懸命作ったご飯を、子供が美味しく食べないと悲しいという大人の気持ちを気遣ったコメントがとても私の心に刺さった。そして、子供が食べてくれない時に不満そうな顔をしているお母さんの様子が思い浮かべた。


子供らしい懺悔で、愛嬌があり許してあげられる。


懺悔をすることによって自分が犯した過ちに許しを求める。


人はなかなか許してもらえないと思い、言葉に表して懺悔をする勇気も出ない。


しかし、こうやって聖金曜日にはキリストが苦しい思いをして十字架で磔刑される様子を思い浮かべると、キリストの苦しみに比べたら自分が抱える悩みなど本当に小さなものだと思え、それを懺悔として言葉に発して許しを求められる。


人生長く生きると「許す」ということが難しくなるのは誰もがわかっている。どんどん泥沼にハマり、積み重なる思いが、人を許せなくなってしまうのだ。


子供のように愛嬌のある懺悔ならすぐに許せるのだが、大人になり、複雑な状況が度重なるとそうは簡単にいかない。


私にも許してほしいこと、許さなければいけないことがたくさんある。


ちょっと力を抜いて、リセットしてみるのもいいのかもしれない。


そうしたら素直な子供のように許してもらえるかもしれない。


(終)


〜はる〜


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