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こだわりを持つ妻と、そうでない夫




現代では「晩婚離婚率」がぐんと増えてきている。日本のような国でも、かつては「我慢して続けるもの」とされていた結婚生活が、ある種の覚悟とともに解消される例が増えているのだ。日本社会は人目を気にしがちだ。外見上は仲良し夫婦に見せかけながら、内面では互いに妥協し続けている夫婦も少なくない。


しかしイギリスでは事情が少し違う。こちらでは、子供が成長して独り立ちすると「第二の人生」として一人の自由な生活を楽しむために離婚を選ぶことが驚くほど一般的だ。


ある日の交通違反の裁判でのこと。夫婦が出廷し、裁判官が罰則の軽減を決めた場面を目にした。夫婦は40年も連れ添っていて、特に夫は妻の意見に何一つ逆らわず、彼女にただひたすら従ってきた。それを見た裁判官は「このお二人はまさに理想的な夫婦のあり方だ」と評し、その円満さと忍耐を評価して罪を軽減したのだ。この裁判官はいつも人間の情や温かさを重んじることで知られており、被告人たちに優しさをもって接することで評判だった。


どこの家庭でもよくある話だが、たいてい妻は繊細で、夫は雑なところがある。そして妻がこだわりを見せると、夫は少々呆れながらも、やはり同意してしまうことが多い。だが、これが逆で、夫が頑固な主張を押し通そうとすると、関係が険悪になる原因にもなる。どちらかが一歩引くことが、長い関係を築くための秘訣といえるのだろう。


妻がこだわり、夫がそれを静かに見守る。そういうふうに、どちらかが譲り、どちらかが支えることで、絶妙なバランスが生まれる。それが夫婦関係の妙であり、長く連れ添うコツなのだと私は思う。


文:はる『ロンドンでの失職、生き残りを綴ったブログ。小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。転身開始から720日目を迎えた。(リンク⇨719日目の記事)』


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