イギリスでも始まったお金のばら撒き(日本ではすでにやっている)。
昨日「ミニ予算案」と称して明らかになった政策は決してミニではなかったような気がする。
我々に直接影響のある案としては所得税の減税だ。最低基準値となる£12571から£50270に課せられる20%の税金が19%に、来年の4月からなる。
現在のイギリスの所得税は
£12570までは無税
£12571から£50270が20%
£50271から150000ポンドが40%
£150001以上が45%
となっている。
例えば£60000の給料であれば£12571から£50270に20%、50271ポンドから60000ポンドまでが40%の税金となり、計算式だと
(50270ー12571)x 20%+(60000ー50271)x 40%=7540+3891=11431
60000ポンドの給料で£11431の税金を払う
この20%の部分が2023年の4月から19%となり、これが納税者たちに還元される。
この1%の違いでどのぐらい恩恵が受けるかそれぞれの給料の額で比較してみると。。。
給料の額と減税による恩恵を受ける額
£20000 → £74
£30000 → £174
£40000 →£274
£50000 →£374
£75000 →£377
£100000→£377
£150000→£377
となり、それぞれを12か月で割ると、月々で£6ー30程度の減税が見込まれる。
加えて納税者が払う国民保険の利率も減率となる。今年の4月にコロナ対策として1.25%引き上げられたが、2023年4月からそれがなくなる。よって、所得額と恩恵を受ける額は以下となる。
£20000 →£143
£30000 →£216
£40000 →£289
£50000 →£362
£75000 →£545
£100000→£727
£150000→£1091
国民保険の計算の仕方は月£792の閾値を超えた額に、週£962(月£4167)までは12%と同じレートが適応されるということ。
月収£1000の場合、£1000(月収)-£792(最初の閾値)=£208でこの最初の閾値を引いた額に12%が課せられてそれが徴収される。月収の£4167以上の額には2%が課せらるといった、月収が多ければ多いほど恩恵が受けられる制度である。
国民保険の減率では富裕層になるほど恩恵が大きい。
このほか住宅購入時にかかる印紙税が£125000から支払い義務があったのが£250000に引き上げられる。初めて家を購入する世帯には£425000まで無税とする。
大型減税をおこなったイギリスは国債を発行して国の借金が膨らむと懸念され、マーケットではイギリスの通貨、株、債券が暴落、世界中から攻撃を受けている。
日本のようにお金のばら撒きによって、我々庶民にとって目の前では現金が支給されるように見えるが、通貨安で輸入品の値段が上がり物価の高騰は続き、我々が安心して生活できる日はそんなにすぐにはやってこなさそうである。
〜はる〜
(終)
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