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ロンドンのカウントダウンの花火が見れるホテルはいくら?



「あ、すいません、大阪では『マクド』でしたね!」

そう言い直すと、大阪出身のXさんは声を上げて笑い、場が一層和んだ。年末、日本からロンドンへやってきたXさんカップルは、旅行を通じてその土地の空気を肌で感じ取るのが好きだという。イギリスの物価の話になり、話題は自然と「マクドナルド」のビッグマックセットの値段に移った。

イギリスの物価と生活水準

Xさんたちと話していたように、イギリスの物価は確かに高い。2024年現在、為替レートは1ポンド=200円前後だが、イギリス人の生活実感は、日本円で考えれば1ポンド=100円くらいの感覚だろう。

例えば、ロンドンでビッグマックセットを買うと1500円程度になる。ビール1杯も同じくらい。年収中央値が約4万5000ポンド(約900万円)というイギリスの学校教師ですら、ロンドンの物価高には圧倒されてしまうだろう。これでは「豊かさ」を実感するのは難しい。Xさんも、「この現実を見ていると、日本の生活はなんだかんだ言ってありがたいですね」と感慨深げだった。

カウントダウンの挑戦

Xさん夫妻がロンドンに来た大きな目的の一つが、大晦日のカウントダウンイベントだった。ロンドンアイとビッグベンが並ぶテムズ川の風景。そこに打ち上がる花火は世界的に有名だ。だが、人気のイベントにはそれなりの制約もある。そのエリアへの入場には、事前にチケットが必要だったのだ。

「チケット取れませんでした」とXさんは苦笑いした。しかし彼には策があった。ロンドンアイの目の前にあるマリオットホテルのテムズ川ビューの部屋を予約していたのだ。

「値段を聞いて驚かないでくださいね」とXさんは言った。「1泊3000ポンド、つまり約60万円です。でも、それでも花火を見るためなら仕方ないかなと」

ロンドンでの旅の工夫

もちろん、連泊は予算的に厳しいため、それ以外の夜はキングスクロス駅近くのホテルに宿泊しているという。そのホテルへの移動も一筋縄ではいかなかった。

「ヒースロー空港から地下鉄のピカデリー線で行ったんですが、階段の上り下りが多くて本当に大変でした。荷物も多かったので、次回は絶対タクシーにします(笑)」とXさんは苦笑いしていた。

ロンドンの旅が残すもの

こうしてXさんカップルは、イギリスの物価やロンドン特有の不便さを体験しつつも、自分たちなりの形で楽しみを見つけ出していた。

「物価が高くて驚きましたが、それでもこうやって現地に来てみないとわからないことがたくさんありますね。次はどの国に行こうか考えるのがまた楽しみです」と彼は語った。

花火の瞬間、マリオットホテルの窓から見えるロンドンの夜空は、60万円の価値を持つ絶景として二人の記憶に深く刻まれたに違いない。そしてこの旅は、彼らの人生にまた一つ、かけがえのないページを加えたのだった。


文:はる『ロンドンでの失職、生き残りを綴ったブログ。小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。転身開始から768日目を迎えた。(リンク⇨767日目の記事)』


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