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浪費家の家族に複利でお小遣いやるといったらえらいことに 

Writer's picture: haruukjpharuukjp


1月は我が家にとって、特別な月だ。子供たちの誕生日が立て続けに訪れる月でもあり、家の中が小さな祝祭ムードに包まれる。誕生日パーティーが何週にもわたって開かれ、そのたびに友達からギフトカードをもらって帰ってくる。ギフトカードは、今のイギリスの10代にとって、最も一般的で、無難なプレゼントらしい。

それは「お金」に近い感覚だ。手元にギフトカードがあると、子供たちはあれこれと買い物を計画し始める。20ポンド、30ポンドのギフトカードを握りしめて、目当ての商品を探し回る姿は微笑ましい反面、私には何か少し物足りない気もした。

複利という概念を持ち込む

私はふと思った。この「お金の使い方」を少し変えてみてはどうだろう、と。小さな買い物で散財するより、少しずつ貯めて、もっと大きなものに使うほうがいいのではないか。そこで思いついたのが「複利」の概念だ。

複利というのは、預けたお金が利息を生み、その利息がまた元本に加わってさらに増えていく仕組みだ。今の時代、銀行にお金を預ければ年利4%程度はつく。それなら、子供たちにその「魔法」を見せてみようと思った。

家庭版「複利」の実験

私は大胆な提案をした。1ヶ月ごとに10%の「金利」をつけてあげる、と。たとえば50ポンドを預ければ、1ヶ月後には5ポンドが加わって55ポンドになる。その次の月には、その55ポンドの10%で5.5ポンドが加わる。こうして毎月少しずつ増えていく仕組みを実感してもらおうというわけだ。

子供たちは最初、少し半信半疑の様子だった。でも、数字で説明し、1年後には元の50ポンドが157ポンドになると聞いた瞬間、彼らの目は輝き始めた。そして誕生日パーティーで集めたギフトカードを次々と貯金に回し始めた。気がつけば、約400ポンドが集まっていた。

思わぬ成長、そして予期せぬ展開

400ポンドを元に計算すれば、10ヶ月もしないうちに月々の「利息」が100ポンド近くに達する計算になる。それを見た子供たちは、もう買い物の計画を立て始めていた。具体的にはヘッドフォンや新しいスマートフォン。

私はどこかで「やりすぎた」と思った。でも同時に、彼らが自分の資金を管理し、何かの目標に向かって貯金をする姿に感心したのも事実だ。

1年という時間、そして次のステップ

とりあえずこの家庭内複利制度は1年だけ続けてみることにした。彼らがどのようにお金を使うか、そしてどのようにその価値を理解するかを見届けたい。ただ、来年以降、この制度をどうするかはまだ決めていない。月10%という高金利はさすがに非現実的だし、私自身の財布が持たないだろう。でも、その時になったら、また新しい方法を考えればいい。


文:はる『ロンドンでの失職、生き残りを綴ったブログ。小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。転身開始から793日目を迎えた。(リンク⇨792日目の記事)』


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