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ロンドン弾丸旅行:団体ツアーの慌ただしさと個人ツアーの贅沢



Xさんは、3泊5日という弾丸スケジュールでロンドンを訪れた。夕方に到着し、観光できるのは2日目、3日目、そして最終日の午前中だけ。つまり、限られた時間の中でどれだけ効率よく観光できるかが鍵になる。ロンドンからウィンザー城、オックスフォード、ストーンヘンジを巡る団体バスツアーを選んだのも、そんな背景があったからだ。


2日目の朝、彼はウィンザー城に向かった。個人であれば事前にチケットを予約し、列に並ばずに済むのだが、今回は団体ツアー。長い列に並ぶ羽目になった。結局、1時間30分も待たされて、滞在時間2時間45分の半分以上が無駄になってしまった。屋敷内をゆっくりと楽しむ余裕もなく、足早に進んでオーディオガイドすらまともに聞けなかった。


その後、バスはオックスフォードに向かった。滞在時間はわずか1時間15分。ハリー・ポッターのホグワーツの食堂として有名なクライストチャーチを見学したいと思ったが、時間が足りず、Xさんは諦めざるを得なかった。結局、ただ市内をぶらぶら歩くだけの滞在となってしまった。


そして最後の目的地、ストーンヘンジ。ここではたっぷり2時間が割り当てられていたが、意外にもXさんは1時間で見学を終え、その後はカフェで残りの時間を過ごしたという。


団体ツアーには、効率的に多くの観光地を回れるというメリットがある。だが、その一方で、見たい場所を十分に楽しめないというデメリットもある。例えば、ウィンザー城の長蛇の列や、オックスフォードでの短すぎる滞在時間などだ。個人ツアーであれば、もう少し自由に時間を使えるのにと思うことも少なくなかっただろう。


とはいえ、団体ツアーはコストパフォーマンスが良い。限られた時間と予算の中でこれだけの場所を訪れることができるのは、やはり魅力的な選択肢である。


Xさんは3日目、団体ツアーを離れて個人ツアーに切り替えた。目的地はイギリス南部。カンタベリー大聖堂や、優雅な佇まいのリーズ城、そして美しい海岸線が広がるセブンシスターズを、自分のペースでゆっくりと満喫した。時間に縛られず、自分だけのリズムで観光を楽しむ贅沢さを、彼は存分に味わったようだ。明日、彼は日本へ飛び立つ。ロンドンでの弾丸旅行は、こうして彼にとって充実した思い出となった。


そんな彼の旅は、まさにスピード感に溢れたものだったが、それでも彼はこの旅を満足そうに振り返っていた。何かを得るためには何かを諦める。それが旅行だけでなく、人生の一部でもあるのかもしれないと、彼はふと感じたのだった。


文:はる『ロンドンでの失職、生き残りを綴ったブログ。小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。転身開始から696日目を迎えた。(リンク⇨695日目の記事)』


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