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Writer's pictureharuukjp

がんの治療を諦めた大工さん




小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。無職生活463日目を迎えた。(リンク⇨462日目の記事)


先週、お風呂場の換気扇が故障して止まった。


この換気扇はちょうど4年前、2020年2月に、ビルダーが設置してくれた。


お風呂場には窓しかなく、冬場は開けておくと寒いので、換気扇があることで窓を閉めても換気ができ、カビ対策に役立っていた。


このビルダーは親戚のように仲良くしてたビルダーで、この家の内装は心をこめて改装してくれた。床を全て張り替えて、壁も全て綺麗にしてくれて、お風呂やキッチンも全て改装してくれた。本棚が欲しいというと手作りの本棚をリビングルームと娘の部屋に作ってくれた。


そんな彼は60歳を過ぎ、最近では旅をしたいと、自分でキャンピングカーを制作、セミリタイアをしてヨーロッパを旅していた。


そんな彼にがんの宣告が下された。


一時期は取り除きの手術をうけ、その後遺症で苦しんではいたものの回復に向かうと思われたが、他に転移していたことが、その後発覚。また手術を受けて苦しむことを嫌がる彼は、治療を受けないことを決断した。


彼が残した我が家での功績は計り知れない。我々の要望を受け入れてくれて、彼のマジックハンドで、まるで図工の時間に粘土で想像したものをどんな形にでも作れるかのように、家の隅々まで改築が進められた。本当に感謝したい。


あとどれくらいの人生が彼に残されているかはわからないが、彼の影響力と工夫が我々の生活に深く刻まれていることは確かだ。


(終)


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