小学生と中学生の子供を持つアラフィフサラリーマンが、ロンドンで長年働いた会社からいきなり(当日)の解雇通告を受け、その瞬間からオフィスにも戻れず退職。フリーランスで僅かな食費を稼ぐも、その後の就職活動が難航中。無職生活675日目を迎えた。(リンク⇨674日目の記事)
飛行機のチケットが高騰していると文句を言っているけれど、それもまあ、家族4人分となれば当然だろう。費用が嵩むのは仕方がない。でも、実はその費用以上に、もっと心に重くのしかかっている問題がある。時々、友人たちからこう言われることがあるんだ。
「イギリス生まれでイギリス育ちの家族が、本当に日本に帰りたいって思ってる?もしかしたら、本当は君だけが日本にこだわっていて、家族はそこまで行きたがってないんじゃないか?一人で帰国したらどう?」
なるほど、一理あるかもしれない。確かに私自身、日本に強い思い入れを持っている。でも、日本人としての父親の立場から考えると、やっぱり子供たちにも少しでも日本という国を感じ取ってほしいという願いがあるんだ。単に「行きたいから行く」っていう話ではない。日本を訪れることで、彼らが自分のアイデンティティの一部として日本を理解し、父親のルーツを知ってほしい。そんな思いがあるんだよね。
子供たちが小さい頃、実は日本人学校にも通わせたことがあった。でも、小学校低学年の頃には挫折してしまった。言葉も文化もどんどん薄れていく中で、我が家における「日本」は消滅しかけていた。そのとき、ふと思ったんだ。自分ができることって何だろう?結局、子供たちに日本を感じさせる一番の方法は、日本に連れて行って現実の日本を見せることだと。
イギリスで日本語を勉強していても、使う機会がなければやがて興味は薄れてしまうだろう。それに、日本がただの遠い国で終わってしまうのも避けたかった。だから、彼らを日本に連れて行って、親戚がまだそこに住んでいることを見せ、文化や風景が彼ら自身のルーツとつながっていることを実感させたい。日本は彼らにとっても大事な場所なんだ、と教えてあげることが私の役目だと思った。
実際、子供たちはまだ一度しか日本に行ったことがないけれど、これからはもっと頻繁に連れて行って、日本をもっと知ってもらいたい。日本が単なる「父親の国」ではなく、「自分たちのルーツの一部」だと感じてもらえるように。
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